こんばんは、宮原那由太です。
僕は音楽系の撮影を仕事にしていて、色々なミュージシャンに会います。
で、その中でも、バンドマンの次に多いのが「シンガーソングライター」なんですよね。
ギター弾き語りシンガーソングライターがいたり、ピアノ弾き語りシンガーソングライターがいたり、とにかく「シンガーソングライター」って世の中に沢山いるんですよね。
で、ふと最近思ったんです。
シンガーソングライターって、実はかなり特殊な存在だよなって。
元々、「曲を作る能力」と「曲を演奏する能力」って、全く別物なのに、それを両方やる人が、こんなに多いってのは不思議だよなって。
なんか、僕は思うのですが、
「曲を作って表現しなくちゃいけない!」と思い込んでいるミュージシャンが、多すぎるんじゃないかな、なんて思ったりするのです。
自分で歌う曲の歌詞は自分で書かなければ。
自分で歌う曲のメロディは自分が決めなければ。
自分でギターを弾くからコード進行を自分で考えなければ。
なんか、「演奏」とまったく別のスキルである「作曲」を、全部自分たちでやりたがってしまっているなって気がするんですよね。
僕は、演奏がしたいなら、無理に「シンガーソングライター」にならなくていいと思っています。
それは、コピーとかカバーとかしかやらなくていいというわけではなく、オリジナル曲を作るなら、それは、曲を作るのが得意な人に外注してみたっていいんだよ、ってことです。
現に、ポップスの楽曲だって、全ての歌手が自分の曲を全て作ってることなんて稀で、大体の場合は外注にするじゃないですか。
で、例えば次に作る曲はちょっと前の曲と違うテイストだから、違う人に頼もうかなーとか、そういうこともできるんじゃないかなって思うんですよね。
人には、得意領域ってものがある。
演奏がうまいミュージシャンだって、曲を作るのは苦手かもしれない。
いい曲を1~2曲作れても、10曲とか20曲とか、いや100曲とか200曲とか作っていくのって、至難の業なんじゃないかなって。
だったら、曲作りは、曲作りのプロに任せて、自分は演奏に専念したっていいんです。
自分で作った曲しか演奏したくないっていうのは、自分が作った固定観念だと思うんです。
逆に言えば、演奏がそもそも全然うまくなくたって、作曲の才能さえあれば、誰かに曲を提供することだってできる。
そして、それは必ず需要のある能力なのです。
自信があるなら、自分の曲を演奏してほしいミュージシャンに楽曲提供したっていいんだと思いますよ。
誰もが「ソングライター」になれるわけじゃない。
だったら、「シンガー」と「ソングライター」でタッグを組んだっていいよね、っていうお話でした。