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Channel: 音楽活動を一生続けるためのヒント集 音楽専門カメラマン宮原那由太のブログ
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KORG 「mr-2」 DSD録音とは

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こんにちは、みやびぃです。


先ほどの記事で、
CS-10EMとバイノーラル録音について紹介しました。


今度は、レコーダーの紹介をしたいと思います。



KORG
mr-2


です。
アウトレット品だったので、
展示品価格でした。









渋い黒でございます。








さて、このレコーダー、
通常のものと比べると結構値が張りますね。
通常価格4万円ほどですからね。













このレコーダー何が違うかというと、
ハイレゾ録音対応なのです。
それどころか、
リニアPCMに替わる新しいフォーマットである、DSDの録音が可能なのです!!!!


これがメイン画面なのですが、
上記に録音形式が表示されています。




通常であれば、例えば、
WAV 44.1kHz/16bit
とかだと思います。
けど、これは違います。
DSDIFF 2.8MHz/1bit
です(・∀・)









そもそもDSDとは、
ダイレクト・ストリーム・デジタルの略で、
ソニーとフィリップスによって命名されたみたいです。
(AES/EBUとかもこの組み合わせだったっけ?)



リニアPCMの場合、音を記録する方法は
CD音質なら、1秒間を44100個に分割し、
その時の音圧を16bit=65536段階で記録するというものでした。

DSDの場合、
2.8224MHzという、ものすごいサンプリング周波数。
しかし、記録するのは1bitの情報で、
その瞬間に音圧が「増えたか」「減ったか」の2通りなのです。
(間違ってたらごめんなさい)
さきほどの数字と比較すると、
1秒間を2822400個(282万2400個)に分割し、
その時々の情報を2段階で記録するという方法です。
(あまり書くとボロが出そうなので、詳しくはDSDでぐぐってみてください。)






もちろんリニアPCMでも、
サンプリング周波数や量子化ビット数をどんどん上げていくことで、
可能な限り高音質にすることはできます。
しかし、同程度の音質で比較した場合、
DSDの方がデータ量が半分くらいになるということです。
また、DSDではその形式の特徴として、
ある周波数からバッサリとローパスフィルターがかかることはなく、
高域に従って徐々に減衰していくという特徴があります。
つまり、DSDには、PCMでは入っていない、
超高周波数の音も記録されることになるでしょう。
色々な方のインタビューを見てみると、
アナログの音源に近い、デジタル臭さがない、というのが、
DSDの特徴になっているそうです。





mr-2の録音フォーマットでは、
WAV(PCM方式)ではもちろん、
mp2やmp3といった圧縮方式の他に、
3つのDSD形式が選べます。





また、マイク入力端子からはプラグインパワー対応なので、
ファンタム電源を送ることもできます。
つまり、先ほどの記事で紹介した、CS-10EMと組み合わせることで、「DSDバイノーラル録音」も行うことができます。
うっひょー(・∀・)楽しそー!











ちなみに、DSDはそのフォーマットの特徴から、
デジタルミックスをすることがまだできないそうです。
ミックスする際は、アナログに戻すか、
WAV変換しなければいけなかったりするそうで、
まだまだ課題点は多いです。

しかし、DSD音源を再生するためのDSDディスクは、
なんとDVD-Rがあれば作成することができるということですよ。











私は、別に「CD音質」というものに不満があるわけではありません。
もっと高周波数まで欲しいと心の底から思っているわけではないです。




しかし現在の、CDという一つの技術が、更に上の技術があるのにもかかわらず、
更新されずにそのまま何十年も使われているということに、不満があるだけです。
というか、CD音質が44.1kHz/16bit/2chステレオなのに、
DVD音質は48kHz/16bit/5.1chサラウンドっていうのは、
どう考えても納得出来ないんです。
なんでCDよりDVDの方がいい音出してるんだと。
音楽を聞く専用のメディアが、映像についている音より劣っているなんて。



CDの音質を決めたのは、
一枚のCDの中にベートーヴェンの第九をまるまる収めたかったという、
極めて音楽政治的な理由でした。
それで決まった音質を、何十年も使い続けているというのが、
個人的に嫌なんです。




技術は日々進歩している。
新しい技術が広まれば、
今までではできなかったことができるようになるかもしれないし、
思いもつかなかったことを思いつく人がでてくるかもしれない。
それを阻害しているのは、
いつまでも過去のメディアで商売をしている今の音楽業界の人たちである。
それが納得できないのです。



もちろん、
レコードがカセットに変わった時の変化、
(サイズの大幅縮小、記録時間の大幅増)
カセットがCDに変わった時の変化、
(音質劣化の消失、頭出しの概念の登場)
これらの時のような、劇的な変化は望めないかもしれない。
また、各家庭にCDプレイヤーはあっても、
DSDプレイヤーはほとんどない。
そういう、各家庭のインフラが普及しないと、
新しいものの爆発的な普及は難しいかもしれない。




でも、それでも、世の中は技術先行で変わっていくべき。
社会構造に変化を及ぼすのは、
いつの時代も科学技術だと思っていますので。






それを担う一端として、
これから音楽を生業にしていく決意をしたものとして、
私はDSDを使っていくつもりです。






今回紹介したmr-2による「DSD録音」
前回紹介したCS-10EMによる「バイノーラル録音」
そしてこれらを組み合わせた「DSDバイノーラル録音」というのは、
これからやろうとしている起業にも関連して、
自分の武器に、商売道具にしていこうかなと思っています。



まだまだ勉強中なので、
もし間違えていたらご指摘いただけると嬉しいです。


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