こんにちは、音楽撮影プロデューサーの宮原那由太です。
先日、僕が大学時代にやっていたバンドの音源を聞いたんですよ。
僕のやっていたバンド、活動期間は3年くらいだったのですが、主に学内のライブで活動していて、外のライブハウスでの活動は1年くらいだったんですね。
で、活動が本格的になってきた時に、メンバーの一人の先輩が大学を卒業するということで、バンドは解散したんです。
で、解散する直前にレコーディングを行って、次の年にオリジナルCDを作ったんですね。
これは、レコーディングは後輩に頼んだのですが、
ミックスとマスタリングは僕がやったんです。
僕はギターボーカルだったので、コードギターとボーカルも自分で弾いたんです。
当時、確か大学院のもろもろをやりながらのミックスで、その合間にめちゃくちゃ時間をかけて、かなり頑張ってミックスした記憶があります。
そんな、昔作った音源を、久しぶりに聞いたんです。
思い出補正とかもあるからさぞ感動するのかなぁと思ったんですが、
久しぶりに聞いた音源、今聞くと、クオリティとしては全然大したことないんです…
もちろん、当時の記憶は色々よみがえってきたのですが、色々なプロがやっている音源を沢山聞くようになったこともあって、それらとの比較をすると、どうしてもショボさが目立ってしまう…
当時、寝る間も惜しんで、隣の家の人に壁ドンされながら、超がんばったミックスだったのに…
確かに、当時は作業環境もひどかったです。
オーディオインターフェイスはありましたが、まずモニタースピーカーがない。
MDコンポのAUXに差し込んでモニターしてました。
そしてミックスも、頑張ったとは言え、大した経験もない状態で、そのアルバムのミックス自体がほぼ初めて、やりながら色々覚えていったという状態でした。
これなら、
今の作業環境で、1から新しいものを作った方が、クオリティは高くできるなーと思います。
しかも、当時の労力の半分くらいでできるんじゃなかろうかと思えるほどです。
レコーディングができるのかは別問題ではありますが…
何が言いたいかというと、
クオリティの高い低いというのは、それを作るために努力したかどうかっていうのは、ほとんど関係ないんだなーということでした。
その道に精通している人が、今までの経験を元に、ササッと作ったものは、やったことない人が一生懸命時間をかけて作ったものよりも、いいものができるでしょう。
つまり、作品作りは、プロに頼んだ方がいいということになります。
何かを作るのであれば、やはり「よいもの」を作りたいでしょう。
頑張るということに利点があるとすれば、それは「スキルアップ」という点です。
今後のためにスキルを磨くという意味では、実験的にも何かを自分で作った方がいいでしょうし、それを繰り返していけば、1個目より2個目がよくなるし、10個目より100個目がよくなります。
ただ、そのためには長い時間も必要だし、1個目のクオリティが満足いくものになるかは微妙なところです。
何を作るにしても、「頑張ったかどうか」ではなく、「いいものが作れるかどうか」を優先して考えなければいけないということになるのだと思います。
特に、自分たちの作品を、お金を出して買ってもらおうと思っている場合、クオリティはとても大切です。
お客さんにとっては、その手に取った商品が、どれだけの時間をかけて、どれだけの苦労の元に生まれたものかなどということは、関係ないのです。
(そのストーリー自体がどこかで語られるなら別ですが)
だからこそ、頑張ったかどうかではなく、良いものかどうかを考えて、作品作りを進めていくことが大切だということになります。
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頑張ったかどうかは、クオリティとはあんまり関係がない。
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