こんばんは、音楽撮影プロデューサーの宮原那由太です。
皆さん、新年の目標などは立てましたか?
毎年、やはり年の切り替わる節目として、目標立てる人は沢山いると思います。
このブログは音楽をやっている方が多いと思いますので、色々な目標を立てているでしょう。
「CDを作る!」とか「ワンマンをやる!」とか「メジャーデビューする!」とか、そういうたぐいの目標ですね。
もしかしたら、もっと大きく、「音楽のプロになる!」という目標を、2016年の目標として掲げている人もいるかもしれません。
僕はブログでも再三言っていますが、
「職業ミュージシャンを増やしたい」という想いがあります。
ですから、実力がしっかりついているのに、音楽以外のことが上手くできず日の目を浴びていないアーティストさんの手助け・プロデュースをきちんとやっていきたいというのが大きな目標というか目的です。
で、皆さんにも確かに、音楽のプロを目指してほしいと思っています。
ただ、一つ言えることがあって、
もし「自分が音楽が好きだから音楽を仕事にしたい」という考えだと、なかなかうまくいかないというか、音楽を仕事にするべきなのかはちょっと分からないかもしれないということです。
そもそも、仕事というのは何かというと、
自分が誰かに価値を提供することで、対価としてお金をいただく
という行為をさします。
そして、それで受け取ったお金を使って、人々は日々の社会生活を行っていくのですね。
これは、メジャーだろうがインディーズだろうが、音楽だろうが音楽以外だろうが関係なくあるものです。
で、通常、「○○がしたい」というのは、自分自身の欲求であって、それが他人から求められるかどうかとは別の問題なのです。
一般的に、「やりたいことをやる」ことを「趣味」と言い、そのためにはやる側がお金を払うというのが当然ですね。
ですから、単に自分が音楽が好き、だから音楽をやるんだ、そしてその音楽でお金が手に入ればこんなにいいことはない!っていうのは、ちょっとワガママな意見かもしれません。
音楽でお金を手に入れるのであれば、自分たちの音楽を必要としてくれる人が存在し、その人たちのために音楽をすることができるのか、お金をいただくに値するだけの、価値のあるものを届けられるのかを常に考えなければいけません。
自分たちの魅力は何か、得意なことは何か、それを使ってどんな人々が自分たちの音楽を欲してくれるのか、誰からお金をもらうのかということを、考えてみないといけないのです。
タイトルで書きました
「ビジネスミュージック」
と
「ホビーミュージック」
ですが、これは以下のように表わすことができます。
ビジネスミュージック…誰かの役に立つ音楽、他人に必要とされる音楽、金銭的価値のある音楽、お金をもらってやる音楽
ホビーミュージック…自分がやりたいからやる音楽、自分が必要とする音楽、自分が満足できる音楽、お金を払ってやる音楽
もし、「自分たちがこんな音楽がやりたい」「音楽をやるのが楽しい」「一生音楽を続けたい」「音楽をやるのが目的」という、自分主体で音楽をやっているのであれば、それはどうしても「ホビーミュージック」であり、仕事にはならない可能性の方が高いです。
そうではなく、「自分たちの音楽で人々にこんな価値を提供したい」「自分の歌唱力、演奏力を社会に役立てたい」「誰かに必要とされる音楽を作るスキルを身に着けたい」「音楽をやるのは手段」という、他人主体というか、自分たちの音楽を社会的に役に立てたいのであれば、それは「ビジネスミュージック」と呼べるかもしれません。
こんなことを書くと、反発が生まれます。
「商売のために自分たちのやりたい音楽がやれなくなるのは嫌だ」という意見です。
これは、自分たちのやりたい音楽をやって成功している有名人たちが実際にいるからというのが大きいでしょう。
だから、自分達も、自分たちのやりたい音楽を追及していれば、それがそのうち報われる、そして仕事になる、と。
でも、それって本当にそうでしょうか。
そのように自分たちが見てきた偉大な先輩たちは、本当に「自分たちがやりたいこと」だけをしてきたのでしょうか?
僕は、そういう諸先輩方も、「どうしたら自分たちのやりたい音楽を誰かに届けられるか」を必死に考えてやってきたんだと思っています。
そして、そのような他人から必要とされる自分たちの音楽の中に、自分たちのやりたい要素を入れていったのではないかと思っています。
だから、やはり音楽でビジネスをするのであれば、誰かが喜ぶ音楽、必要とされる音楽を作らないければいけないのです。
「金のために音楽をやっているのではない」という意見もあるでしょうが、じゃあどうやって家賃を払い、水道光熱費を払い、食費を払い、人間として社会生活を行っていくのか。
お金になる仕事を別にやって、その軍資金を元にやりたい音楽をやるなら、それを人は趣味と言うのだと思います。
「仕事」は、価値を提供することでお金をいただくことです。
「プロ」とは、自分が行った仕事でしっかりと収入を得てそれで生活している人のことです。
もし、音楽を仕事にしたい、音楽のプロになりたいのであれば、ビジネスミュージックをきちんとできる人間になりましょう。
自分の音楽にお金を払ってくれる人がいるというのは、ホビーミュージックよりもとても魅力的な音楽を提供することになります。
もちろん大変ですが、それだけの価値を作り出せた方が、最終的には楽しいんじゃないかな、と思いますよ。
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「ビジネスミュージック」がしたいのか「ホビーミュージック」がしたいのかを明確にしよう。
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